特集 感染症診断へのアプローチ
各論
5.消化器系感染症 1)感染性腸炎
川嶋 一成
1
,
岡田 京子
2
,
小花 光夫
3
Issei KAWASHIMA
1
,
Kyoko OKADA
2
,
Mitsuo OBANA
3
1川崎市立川崎病院内科
2川崎市立川崎病院検査科
3川崎市立川崎病院感染症科
pp.1334-1351
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903893
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はじめに
消化器系感染症と言えば食道,胃,小腸,大腸までの全消化管の感染症を含むことになるが,食道と胃にみられるいわゆる上部消化管感染症は通常はそれほど多くない.食道では免疫能低下者におけるカンジダ性食道炎ぐらいであり,胃ではヘリコバクター感染症が近年大きな問題となっているが,これについては別項を参照していただきたい.したがって,本稿では消化器系感染症の中でも日常臨床上で最も頻度が高い下部消化管感染症である感染性腸炎について概説する.なお,感染性腸炎と腸管感染症という言葉はほぼ同義と言えるが,ここでは主に前者を用いる.
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