今月の主題 消化器疾患の治療法—1994年の再評価
小腸・大腸疾患
感染性腸炎
高橋 裕
1
,
上野 文昭
1
1東海大学大磯病院内科
pp.58-61
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902547
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ポイント
●感染性腸炎はself-limitingであり,自然治癒が期待できるので,治療の基本は補液による脱水の改善を優先する.簡便な経口補液で十分であるが,重症例では輸液を行う.
●止痢剤で有効なものは,次サリチル酸ビスマスと麻薬系薬剤(リン酸コデイン,loperamide)であるが,濫用により症状が重篤化することもある.
●抗菌剤使用の要否・薬剤選択は病原菌により決定する.しかし,病態の重症度や基礎疾患によっては便染色を参考に見込み投与(empiric thrapy)を行うことがあるが,安易な使用は,厳に慎むべきである.
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