今月の主題 蛋白尿の病態解析
新しく登場した尿マーカー蛋白
ポドカリキシン(尿中podocyte)―糸球体上皮細胞障害のマーカー
原 正則
1
,
柳原 俊雄
1
,
木原 達
2
Masanori HARA
1
,
Toshio YANAGIHARA
1
,
Itaru KIHARA
2
1新潟県立吉田病院小児科
2新潟大学医学部腎研究所
キーワード:
尿中podocyte
,
糸球体上皮細胞障害
,
ポドカリキシン
,
尿沈渣蛍光抗体法
Keyword:
尿中podocyte
,
糸球体上皮細胞障害
,
ポドカリキシン
,
尿沈渣蛍光抗体法
pp.1121-1123
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903863
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1.はじめに
腎疾患を診断するには通常は検尿,血液生化学検査などによってなされるが,最終的な診断は腎生検によらなければならない.これに対し,非侵襲的な診断法が種々試みられており,近年では尿中に排泄される特異的腎抗原を測定することにより,腎障害の程度や質を推測しようとする検査法が開発されつつある.しかし,残念ながらこれらの多くは尿細管障害を検出するものばかりで,糸球体障害を検出する検査法は少なく,とりわけ糸球体上皮細胞(podocyte)障害を評価する方法は見当たらない.尿中podocyte検査はポドカリキシンに対するモノクローナル抗体を用いた尿沈渣蛍光抗体法であり,非侵襲的にpodocyte障害を検出する画期的な方法として開発された1,2).
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