特集 原発性免疫不全症候群—最近の話題
7.原発性免疫不全症候群の遺伝カウンセリング
重村 倫成
1
1信州大学医学部附属病院小児科
キーワード:
遺伝子検査
,
遺伝カウンセリング
,
原発性免疫不全症
,
保因者診断
,
出生前診断
Keyword:
遺伝子検査
,
遺伝カウンセリング
,
原発性免疫不全症
,
保因者診断
,
出生前診断
pp.1265-1272
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001010
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原発性免疫不全症はきわめてまれな疾患であり,多くは単一遺伝子疾患にもかかわらず,複雑な病態から多様な症状を呈し診断に苦慮する.感染防御にかかわる免疫担当細胞が欠損や機能不全を起こすことで微生物から危険にさらされ,生命にかかわるイベントが生じる.遺伝子検査による早期診断は,予防治療を含めた早期医療介入が可能となり,造血幹細胞移植などの治療決定に重要な情報をもたらす.一方で,遺伝子検査には血縁者にも予期せぬ情報をもたらし,精神的な苦痛をきたし得る.そのため実際のカウンセリングは,臨床遺伝専門医などの遺伝カウンセリングに習熟した者と当該疾患の知識を有する医師とが協力し,実施する必要がある.
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