特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅴ.神経病理
1.筋肉
3)ミトコンドリア病の組織化学
埜中 征哉
1
Ikuya NONAKA
1
1国立精神・神経センター武蔵病院
pp.1505-1508
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903537
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はじめに
ミトコンドリアは細胞内小器官で,細胞が生存するために必要なエネルギーを産生する.もしミトコンドリアに何らかの異常が起こると大量のエネルギーを必要とする骨格筋,中枢神経系に異常がみられるようになる.ミトコンドリア病はしばしばミトコンドリア脳筋症と呼ばれるのはそのためである.
ミトコンドリア病の60~70%は3大病型と呼ばれる慢性進行性外眼筋麻痺症候群(chronic progressive external ophthalmoplegia;CPEO),MELAS (mito-chondrial myopathy,encephalopathy,lactic acidosis and stroke-like episodes),MERRF (myoclonus epi-lepsy associated with ragged-red fibers)で占められる(表1)1,2).それぞれ疾患特異的なミトコンドリアDNA変異が見いだされている2).
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