特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅳ.画像診断
2.MRI検査・他
2)functional MRI(fMRI)
成瀬 昭二
1
,
古谷 誠一
2
,
田中 忠蔵
3
Shoji NARUSE
1
,
Seiichi FURUYA
2
,
Chuzo TANAKA
3
1京都府立医科大学放射線科/脳神経外科
2京都府立医科大学放射線科
3明治鍼灸大学脳神経外科
pp.1477-1483
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903529
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はじめに
最近の磁気共鳴画像法(magnetic resonance imaging;MRI)の技術進歩によって,生体の代謝,循環,機能などの画像解析が可能となってきた.すなわち,①磁気共鳴スペクトロスコピー(MR spectroscopy;MRS)による内在性の代謝物質の解析と分布の画像化,②functional MRI(fMRI)による脳の活動部位の画像化,③拡散強調画像法(diffusion weighted imaging)による組織内の水分子の拡散の画像化,④脳灌流画像(perfusion imaging)による脳血管床(cerebral blood volume;CBV)や脳血流量(cerebral blood flow;CBF)の画像化,などである.
なかでも,1991年に最初のヒトの局所脳機能画像が,MRI造影剤の投与による脳灌流画像法で実現されて1)注目を浴び,さらに現在の主流となっているヘモグロビン(Hb)の酸素化の違いを基とするfMRIが開発され2~4),その応用研究が急速に進んできた.fMRIは従来の脳機能画像法と比べて非侵襲的で,空間および時間分解能が高く,繰り返して脳の機能を画像化できる大きな特徴があるため,広く用いられるようになってきた訳である.
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