特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の新しい器械,器具
Ⅱ.画像機器
3.Functional MRI
中澤 勉
1
,
上野 武彦
2
,
岡本 美孝
1
1山梨医科大学耳鼻咽喉科学教室
2山梨医科大学脳神経外科学教室
pp.59-64
発行日 2001年4月30日
Published Date 2001/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902348
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はじめに
脳活動の画像評価として,これまでポジトロン断層撮影(PET,詳しくは次項で述べられるものと思われる)や脳血流SPECT,さらにMRIを用いた磁気共鳴スペクトル画像(MRSI),拡散強調画像法(diffusion weighted imaging),脳灌流画像(perfusion imaging)などで代謝・循環・機能などの解析がなされてきた。しかし,PETやSPECTでは放射性物質を用いる点,また前者では標識薬剤の寿命が短いために大がかりなサイクロトロンを常備しなくてはならず,時間分解能にも限界があり,後者では局所の脳血流測定にのみ使用され空間分解能では劣るなどの欠点があった。そこで,非侵襲的な脳活動の画像化の新しい方法として,数年前からBelliveauら1)やOgawaら2)によって始められたfunctional MRI (fMRI)は高分解度の空間情報の的確さおよび画像の経時的変化を得る方法として開発された。当初は4テスラの超高磁場装置やエコープランナー(EPI)法を用いる特殊な装置で開発されてきたが,一般のMR装置でも撮像可能となってきた。
本稿では,脳神経の大多数を扱うわれわれ耳鼻咽喉科医にとって有用と思われるfMRIについて概略する。
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