特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅱ.免疫
4.神経疾患と自己抗体
2)免疫性末梢神経疾患
椎名 盟子
1
,
楠 進
1
Meiko SHIINA
1
,
Susumu KUSUNOKI
1
1東京大学医学部神経内科
pp.1339-1343
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903492
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はじめに
自己免疫性末梢神経障害をきたす疾患として,Guillain-Barre症候群や慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneu-ropathy;CIDP),多巣性運動ニューロパチー(multi-focal motor neuropathy;MMN)やモノクローナルIgM M蛋白血症を伴う末梢神経障害などが知られている.これらの疾患では,診断マーカーおよび病態解明の手がかりとしての自己抗体について検討が進められてきた.近年,特に神経細胞表面の糖脂質を認識する抗体が他の神経疾患に比べて有意に上昇していることが明らかになってきた1,2).本稿では自己抗体の中でも,この糖脂質抗体に特に焦点を当てて述べることにする.
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