特集 免疫組織・細胞化学検査
臓器別応用例
3.泌尿・生殖器系
6)乳腺
土屋 眞一
1
,
松山 郁生
2
Shin-ichi TSUCHIYA
1
,
Ikuo MATSUYAMA
2
1長野県がん検診センター検査部
2長野県がん検診センター臨床検査科
pp.177-181
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902704
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はじめに
乳腺疾患の中でもっとも重要な病変は乳癌であることは言うまでもない.欧米諸国に比べて著しく低かった日本の乳癌発生率は,最近では急激な上昇傾向を示しており,21世紀のごく早い時期には日本女性の癌の発生率の第1位となることが確実視されている.したがって,病理医ならびに検査技師が乳腺腫瘍を取り扱う機会はこれからますます増えてくることが予想される.
一般的に,組織診断は細胞の構造や配列,異型度によってなされるが,乳腺にはその基準が当てはまらない病変が多くみられる点が最大の特徴とされる.その結果として,良・悪性鑑別に難渋する症例がしばしばみられ,常識的な診断尺度ではともすればUnderdiagnosis(過小診断)したり,反対にoverdiagnosis(過剰診断)することが少なくない.
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