特集 ホルモンと生理活性物質
各論
13.神経ペプチド系
2) NPY
芝崎 保
1
Tamotsu SHIBASAKI
1
1東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター内科
pp.240-242
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902240
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生合成・分泌・機能
1.生合成
NPY (neuropeptide Y)は36個のアミノ酸から成るペプチドで,そのアミノ酸配列はペプチドYYやpancreatic polypeptideと似ており,これらペプチドは同一のグループに属すると考えられる.NPYは中枢神経系や末梢組織に広く分布する.NPYの前駆体の遺伝子には4つのエクソンが存在し,NPYのアミノ酸配列の大部分はエクソン2に由来する.ヒトNPYの前駆体は97個のアミノ酸から成り,それは28個のアミノ酸のシグナルペプチド,36個のNPY,30個のC端側ペプチドに切断される.
NPYmRNAやNPYは中枢神経系では線条体,大脳皮質,海馬,視床下部,延髄,脊髄などに存在する.末梢組織では副腎髄質のノルアドレナリン含有クロマフィン細胞や,心臓,肺,脾臓,消化管,膀胱,子宮,輸精管などに存在する血管壁の神経線維にノルアドレナリンとNPYが共存する.
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