特集 ホルモンと生理活性物質
各論
8.性腺ホルモン系
8)ヒト胎盤ラクトーゲン
望月 眞人
1
Matsuto MOCHIZUKI
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.185-187
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902218
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生合成・分泌・機能
ヒト胎盤ラクトーゲン(human placental lactogen;hPL)は糖質を含まない分子量22,000の単純蛋白ホルモンで,191個のアミノ酸残基の単一鎖から成り,2個のS-S結合を持つ.191個のアミノ酸のうち162個,つまり85%がヒト成長ホルモン(hGH)のそれと同じであるが,α-ヘリックスは少ない.2個のS-S結合のうち1つを切断するとプロラクチン(PRL)様活性は消失し,2つとも切断するとPRL様とGH様両活性が失活する.N末端切断で脂質分解作用が消失するが,免疫活性は維持される.トリプシン処理ではPRL様活性が低下するが,GH様活性は変化しない.つまりhPLの持つGH様活性部分とPRL様活性部分はそれぞれ別個のフラグメントに存在するようであるが,その生物作用や分子構造の類似性から,これら三者のペプチドホルモンはいわゆるスーパーファミリーを構成する.
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