特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
8.信号伝達系
細胞内
受容体
アクチビン/TGF-β/BMPタイプⅠ・Ⅱ受容体ファミリー
上野 直人
1
1北海道大学薬学部生体機能化学講座
pp.566-568
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901003
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[構成員]アクチビンタイプⅠ,Ⅱ受容体,TGF-βタイプⅠ,Ⅱ受容体,BMPタイプⅠ,Ⅱ受容体
概説
1984年にTGF-βの全構造が解明されて以来,さまざまな生理活性物質がTGF-βに類似の構造を有することが明らかになり,TGF-βおよびその関連分子は非常に大きなファミリー(これをTGF-βスーパーファミリーと称する)を形成していることがわかってきた。それらは総じて,細胞の増殖や分化を調節する生体にとってきわめて重要な働きを担っている。したがって,それらの受容体に関する研究も早くから進められていた。そして遺伝子工学の進歩が突破口となり,最初にアクチビンの受容体構造が明らかにされた。その後,TGF-βスーパーファミリーに属するリガンドの受容体は,例外なく細胞内領域にセリン/スレオニンキナーゼをもつ受容体であることが判明し,次々に新しい受容体型セリン/スレオニンキナーゼがクローニングされた。そしてリガンド同様に,受容体も大きなファミリーを形成していることが明らかになり,細胞増殖因子の新しい細胞内情報伝達機構として注目されている。
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