学会印象記 第39回日本臨床病理学会総会
医療の最終的な目標は患者のニーズに答えることを痛感
桑島 実
1
1香川県立中央病院臨床検査部
pp.1381
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901376
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10月14日から3日間,臼井敏明総会長のもと,わが国における西洋医学教育発祥の地である長崎市において第39回日本臨床病理学会総会が開催された.17年前,同じ長崎で開かれた22回総会に比べると,シンポジウム7題,フォーラム1題,専門部会講演会6題,技術セミナー7題,一般演題は693題と約1.5倍の膨大な内容となった.初日は別として,シンポジウムと一般演題をまんべんなく聞くのはもはや不可能となった.このため一般演題は抄録の通読にとどめたが,中には他学会の抄録集に掲載されているのと同一演題がいくつかあり,ごく少数だが演者,内容ともほとんど同じというものまであった.総会の発表には常にoriginalityがあって欲しいものである.研究者としての姿勢を問いたい.
さて,臨床病理学ほど広範な分野が包含された領域はあまりない.しかし「臨床」と付くかぎり,患者あるいは人の健康と生きがいに直接,奉仕できるものでなければならないはずである.これは,総会記念として頂載したテレホンカードに印刷されているポンペの言葉「…ひとたびこの天職を選んだ以上,もはや医師は自分自身のものではなく,病める人のものである…」に集約される.医師に限らず医療人すべてに通じる言葉といえよう.
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