海外だより
マラウイ
薬師寺 小百合
1
1青年海外協力隊1990年度第2次隊
pp.1382-1383
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901377
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医療従事者としての意味をもう一度見つけようと…
朝8時30分,職場に到着すると同時に私を待ち受けている山積みになった検体.机の上を整理する間もなく早速仕事に取りかかる.やってもやっても減らない検体の数々.緊急検査の依頼もひっきりなしに入ってくる.休む間もなく,時には昼休みもとれず,とにかくその日の仕事の区切りがつくまでひたすら働き続ける.そんな生活が日本で3年間も続いた.
何か人の役に立つような仕事をしてみたい,それなら医療従事老になろう,そうして選んだ臨床検査技師という仕事だったのに,その頃の私はこの自分自身が選んだ仕事を嫌いになりかけていた.超人的な忙しさと検体処理に追われるだけの日々.医療に従事しているという実感などまったくなく,機械の歯車の一部にでもなったような気分だった.一生こんなことを続けていくのは嫌だ….
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