特集 遺伝と臨床検査
II DNA診断
2.DNA診断の応用
7)サラセミア
服部 幸夫
1
,
大庭 雄三
1
Yukio HATTORI
1
,
Yuzo OHBA
1
1山口大学医学部臨床検査医学講座
pp.114-118
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901291
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ヒトの血色素(Hb)の95%以上を占めるHbAは2分子ずつのα,βグロビン鎖から成る四量体である.α,βグロビンは赤芽球や網球でバランスよく産生されているが,サラセミアと呼ばれる病態では,その一方だけの産生障害があり,その結果,血球内のHb含量が低下し,低色素赤血球となったり,また,正常に産生された側のグロビンが相対的に余剰となり,それが赤血球膜に障害を与えて溶血性貧血を起こしたりする.βグロビンの産生低下をβサラセミア,αグロビンの産生低下をαサラセミアと称す.
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