特集 遺伝と臨床検査
III 染色体異常の診断
1.染色体異常診断のための基本的操作
引地 一昌
1
,
石原 義盛
2
Kazumasa HIKIJI
1
,
Yoshimori ISHIHARA
2
1(株)エスアールエル遺伝子部
2(株)エスアールエル染色体部
pp.120-126
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901292
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●はじめに
染色体検査の歴史は古く,多くの研究者の努力によって検査技術は着実に進歩し,現在ギムザ染色によるG分染法を中心として,Q分染法,R分染法,C分染法など各種の染色体検査法が確立されてきた.染色体の分析技術は,近年急速に発展してきたDNA診断技術とともに臨床検査のみならず基礎研究の分野でもその必要性が高まっており,細胞遺伝学の中で重要な検査技術として位置づけられている.
従来,染色体検査はダウン症候群に特徴的な21番染色体のトリソミー(染色体の数的異常)の検索など,先天異常の検査を中心として行われてきたが,各種分染法など,分析技術の進歩により,原因不明の難病,出生前診断,白血病診断,固形腫瘍,流産・死産および各種の培養細胞など,幅広い分野で分析技術の必要度が高まってきている.
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