病気のはなし
サラセミア
太田 善郎
1
1佐賀県立病院好生館内科
pp.1234-1239
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203894
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サラセミア1)は,ヘモグロビン(Hb)を構成するグロビン鎖合成能の低下のために,低色素性,小球性貧血および標的赤血球などの形態異常を伴う遺伝性の溶血性疾患である.
歴史的には地中海沿岸の住民に多発して見られるところから,地中海性貧血とも呼ばれていたが,最近では広く世界中に分布していることが明らかとなった.我が国においては天木2),太田3)の初期発見に引き続き,多数の報告を見るようになった.頻度としては,2,000〜3,000人に1人の割合で分布していると推定されている.本症の病因はHb遺伝子の異常に基づくものである.
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