トッピクス
分子指示薬の開発
上野 昭彦
1
1東京工業大学生命理工学部
キーワード:
シクロデキストリン
,
包接化合物
,
分子指示薬
Keyword:
シクロデキストリン
,
包接化合物
,
分子指示薬
pp.1022-1023
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901217
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1.はじめに
シクロデキストリン(CD)は,環状オリゴ糖であり,構成するグルコースの数が6,7,8個のものがα―,β―,γ―CDとして知られている.これらは,水溶液中でさまざまな分子をその空孔内に取り込み包接化合物を形成する.CDは,デンプンに酵素を作用させて工業的に生産されており,その包接機能の応用は医,農薬,化粧品,食品など,広範な分野にまたがっている.
筆者らは,CDを分子検出のためのセンサーあるいは指示薬に変換する研究を行ってきた.CD自体は,分光学的に不活性であるが,これに芳香環を化学結合して分光学的に活性な化合物に変えることができる.そして,これら修飾CDを用いて,ゲスト分子包接による蛍光や色の変化に成功し,新型センサーの領域を築きつつある1~6).
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