今月の主題 骨・関節をめぐって
巻頭言
関節病変の診断―臨床検査を中心に
柏崎 禎夫
1
Sadao KASHIWAZAKI
1
1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター
pp.1261
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900899
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いかなる関節疾患といえども,診断が確定しなければ治療方針を立てることはもちろんのこと,治療を効果的に行うことも不可能である.多くの疾病と同様に関節疾患においても,現病歴の聴取だけで直ちに診断ができる症例もあれば,長期間の注意深い観察を行ってもなお診断が不可能な症例もある.単に関節が障害されているか否かの診断は,関節の診察法に熟達している医師であれば容易であろう.しかし,たとえ診断が容易であった症例でも,障害されている部位の微細な形態や病態の詳細を知るには種々の検査の手助けが必要である.
関節疾患の診断のための臨床検査法の進歩には目覚ま.しいものがあるが,この疾患にはこの検査を行えば診断は確定するというほどの絶対的特異性のある検査法はまだ非常に少ない.おのおのの検査法には長所もあれば,短所もあるので,日常診療ではそれぞれの長所を生かした検査を施行するのが正しい.
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