今月の主題 膠原病—最近の考え方
膠原病の臓器病変のみかた
神経病変
古明地 智
1
,
柏崎 禎夫
1
Satoshi KOMEJI
1
,
Sadao KASHIWAZAKI
1
1北里大学医学部・内科
pp.1016-1017
発行日 1981年6月10日
Published Date 1981/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217214
- 有料閲覧
- 文献概要
膠原病は多臓器障害性の全身性炎症疾患である.したがって,神経障害も主要病変の一つになるが,その頻度や内容は膠原病6疾患ごとにかなりの差がみられる,中枢神経障害は全身性エリテマトーデス(SLE)(25〜75%〉で一番高率で,ついで,結節性多発性動脈炎(PN)(20〜30%)で多くみられる.リウマチ熱(RF)では小舞踏病が有名であるが稀である.それ以外の疾患では原疾患に基づくものは一般にはない.一方,末梢神経障害はPN(30〜50%)で最も高率にみられ,ついで慢性関節リウマチ(RA)とSLEで約10%以下に観察されるが,強皮症(PSS)ではごく一部症例に限られる.皮膚筋炎・多発性筋炎(DM-PM)ではきわめて少なく,RFではほぼ皆無といってよい.また,神経病変の占める臨床的意義も個々の疾患で異なっている.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.