特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
2.自己免疫疾患の検査
5)自己抗体
(29)抗T3,T4抗体
高田 薫
1
,
網野 信行
1
Kaoru TAKADA
1
,
Nobuyuki AMINO
1
1大阪大学医学部臨床検査診断学教室
pp.249-251
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900867
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はじめに
甲状腺ホルモン,トリヨードサイロニン(triiodothyronine;T3)およびサイロキシン(thyroxine;T4)は大部分がサイロキシン結合グロブリン(thyroxinebinding globulin;TBG),プレアルブミンおよびアルブミンと結合して存在し,ごく一部の遊離型T3,T4(fT3,fT4)が生理的作用を発揮している.しかし,1956年に甲状腺疾患のある患者のなかで,これらの蛋白のほかにT3,T4が免疫グロブリン,すなわち特異自己抗体と結合している症例が見いだされ1),以後,多数例が報告されている.以下に抗T3,T4抗体の特徴,測定法および臨床像について述べる.
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