今月の主題 呼吸器疾患と臨床検査
カラーグラフ
肺疾患の病理
山中 晃
1
Akira YAMANAKA
1
1福井赤十字病院呼吸器科
pp.695-697
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900638
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病理学の主要な分野である腫瘍と炎症・感染は肺においてももっとも大きな比重を占める疾患群である.気道の構成細胞は基底細胞以外に主として気道表層を覆う細胞群と神経内分泌細胞,気管支腺細胞,肺胞上皮より成るが,肺癌はこれらのいずれをも発生母細胞とし,多彩な病理像を呈する.気道の防御機構は粘液線毛輸送系による物理的機能,気管支腺分泌による化学的機能,肺胞マクロファージによる生物的機能によって複雑に構成されているが,外界に暴露されやすいため,肺には種々の感染症が生じうる.ここでは主として呼吸器外科の立場から,剖検例1例を除き,手術によって得られた標本を用いて15症例を呈示した.
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