臨時増刊特集 エコー法の現況
Ⅱ 診断と治療への応用
A 心エコー法
25.心機能検査
千田 彰一
1
,
森田 久樹
1
,
和田 茂
1
,
水重 克文
1
,
中島 茂
1
,
松尾 裕英
1
1香川医科大学・第2内科
pp.2238-2244
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220061
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心エコー図による心機能評価
心エコー図による心機能評価のための計測としては,左室径や左室断面像に基づいて求められる左室容積,心拍出量,駆出率,左室円周方向線維短縮速度(Vcf)のほか,壁厚,壁振幅,弁運動などから求められる指標がある.これらはMモード法,断層法それぞれの特徴をいかして正確な測定をすることから算出される.また,最近ではドブラー法によって得られる流出・流入血流波形の記録から,機能評価を行おうとの試みがなされつつある.
心機能評価としては収縮・拡張機能の両面から行われているが,現状では主として収縮機能の面からなされることが多い.心収縮の機能としては,心ポンプ機能と心筋収縮機能とに大別されて諸種の指標が提唱されているが,後者のうち等容性収縮期に関する検討は心エコー法からは困難なことが多く,駆出期が主たる対象となる1).本稿では,心エコー図による心機能評価法の基本的なことがらを概説する.
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