今月の主題 心・血管系ホルモン
測定法・病態生理
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)測定法の病態生理学的意義
小田 寿
1
,
石井 當男
1
Hisashi ODA
1
,
Masao ISHII
1
1横浜市立大学医学部内科学第二教室
キーワード:
ANP
,
生理学的意義
,
Na利尿
,
高血圧
,
心不全
,
腎不全
Keyword:
ANP
,
生理学的意義
,
Na利尿
,
高血圧
,
心不全
,
腎不全
pp.237-241
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900517
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心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)はナトリウム(Na)利尿,血管拡張,アルドステロン抑制などの多彩な生理作用があり,その病態生理学的意義が注目される.血中ANPは,心不全,腎不全,高血圧,発作性上室性頻拍などの疾患で上昇することが知られており,腎不全,心不全では体液貯留や心機能を反映して上昇している.したがって血漿ANP濃度測定は,透析患者において至適体重(dry weight)を設定する1指標に,心不全では心機能の推移をみる1指標になりうることが示唆された.
また,ANPは生体内物質であり,心不全や高血圧における臨床応用が期待されるが,そのためにANPやANP代謝酵素阻害薬を投与した際の血漿ANP濃度測定も,臨床効果判定に重要と考えられた.
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