今月の主題 肝炎ウイルス関連マーカー
技術解説
2’,5’-オリゴアデニル酸合成酵素
西口 修平
1
,
小林 絢三
1
Shyuhei NISHIGUCHI
1
,
Kenzo KOBAYASHI
1
1大阪市立大学医学部第三内科学教室
キーワード:
2’
,
5’-オリゴアデニル酸合成酵素
,
インターフェロン
,
抗ウイルス作用
,
B型慢性肝炎
,
治療効果
Keyword:
2’
,
5’-オリゴアデニル酸合成酵素
,
インターフェロン
,
抗ウイルス作用
,
B型慢性肝炎
,
治療効果
pp.44-49
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900461
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2’,5’-オリゴアデニル酸合成酵素(2-5AS)は,インターフェロン(interferon;IFN)によって細胞内に誘導される酵素であり,IFNの抗ウイルス作用発現に重要な役割を果たしている.血中のIFNは,速やかに消失することから,生体の抗ウイルス状態の把握のためには,2-5AS活性が指標として用いられている.本酵素はウイルス感染症のみならず,SLE,Behcet病などでも,高値を呈する.さらに,2-5ASは,IFNに対する個体の反応性や,IFN投与時の抗ウイルス活性の評価をするうえで重要なマーカーである.近年,RIAを用いた測定法が開発され,血清中の2-5AS活性の測定が可能となった.従来の末梢血単核細胞に比べ,測定が容易になったため,今後臨床検査として汎用され重要性が増すものと思われる.
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