増大号 肝疾患 臨床検査でどう迫る?
序章 総論
—肝臓に起こる主な病気—慢性肝炎
平松 直樹
1
1大阪労災病院消化器内科
キーワード:
慢性肝炎の疾患概念
,
慢性肝炎の原因
,
肝線維化進行
,
B型慢性肝炎
,
C型慢性肝炎
,
非アルコール性脂肪性肝疾患
,
NAFLD
Keyword:
慢性肝炎の疾患概念
,
慢性肝炎の原因
,
肝線維化進行
,
B型慢性肝炎
,
C型慢性肝炎
,
非アルコール性脂肪性肝疾患
,
NAFLD
pp.1024-1030
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203409
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慢性肝炎の疾患概念
慢性肝炎は,肝臓の炎症が6カ月以上持続する疾患として定義されている.原因には,肝炎ウイルス(B型ならびにC型)の感染,自己免疫性,アルコール性,代謝性,薬物性などがある(表1).わが国では,かつてC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)感染が慢性肝炎の約7割,B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)感染が約1〜2割を占めていたが,近年,HCVは抗ウイルス療法によりほぼ100%排除され,C型肝炎の比率は減少し,非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)が増加傾向にある.
一般に,肝炎が増悪しても自覚症状がないことが多く,検査をしなければ本人は気付かないことが多い.このため,厚生労働省では,保健所などにおける肝炎ウイルス検査の促進や医療費助成を含めた患者支援などを行い,積極的に肝炎対策を進めている.
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