特集 いま求められる肝炎の知識
B型慢性肝炎の治療
池田 健次
1
1虎の門病院消化器科
キーワード:
B型慢性肝炎
,
肝生検
,
HBV-DNA
,
ラミブジン
,
インターフェロン
Keyword:
B型慢性肝炎
,
肝生検
,
HBV-DNA
,
ラミブジン
,
インターフェロン
pp.700-703
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100676
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B型肝炎の一般的知識
B型肝炎感染者の疫学
B型肝炎ウイルス(HBV)キャリアは,わが国では人口の約1%である.30年前には約3%といわれていたが,母子感染の予防の確立,医原性の疑われる処置の排除などにより,HBs抗原陽性者は明らかに減少しつつある.実際に肝病変の存在するB型慢性肝炎は約30~50万人,B型肝硬変は約5~10万人存在すると推定される.
B型肝炎ウイルス陽性の診断
“HBV保有者”であることは,HBs抗原陽性(R-PHA法,EIA法,RIA法)であれば診断できる.近年では,移植のドナー候補者や免疫不全患者などで微量なHBVの存在が問題になることがあり,超高感度のPCR法によりHBV-DNAが陽性であることをもって,HBVキャリアとしなければならない状況もみられる.PCR法による核酸検出は煩雑でコストもかかるため,HBc抗体高力価(たとえば原血清の%inhibitionが90%以上,200倍希釈血清で70%以上など)で判定することも多い.
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