今月の主題 細胞接着因子
技術解説
フィブロネクチン
片山 政彦
1
Masahiko KATAYAMA
1
1宝酒造(株)バイオ研究所診断薬部門
キーワード:
フィブロネクチン
,
モノクローナル抗体
,
血漿濃度測定
,
尿中分解物
,
腫瘍マーカー
Keyword:
フィブロネクチン
,
モノクローナル抗体
,
血漿濃度測定
,
尿中分解物
,
腫瘍マーカー
pp.1725-1730
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900425
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細胞外マトリックスを構成する高分子糖蛋白質としてフィブロネクチン(FN)はあまりにも有名であるが,同じく細胞接着活性を有するラミニン,コラーゲン,ビトロネクチンとともに生体内でどのように機能しているかは不明な点が多かったものの,近年それらは徐々に解明されつつある.臨床検査領域では,主として血漿や髄液での測定が行われてきたが,その診断への適用範囲は比較的限られたものであった.最近,モノクローナル抗体技術を用いた免疫組織化学や尿中FN分解物測定などが悪性腫瘍診断に臨床応用され,腫瘍研究におけるFNの重要性はさらに発展しつつある.本稿では,FNの基礎的研究における現在までの成果と臨床診断技術への応用について概説する.
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