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石綿の健康リスク
細田 裕
1
,
冨田 眞佐子
2
1放射線影響研究所
2JR東日本中央保健管理所
キーワード:
石綿
,
職業性曝露
,
環境汚染
,
悪性腫瘍
Keyword:
石綿
,
職業性曝露
,
環境汚染
,
悪性腫瘍
pp.472-473
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900116
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1.石綿はなぜ使われるのか
最近,石綿の環境汚染がマスコミをにぎわしている.石綿は繊維状の鉱石で,広く使われる種類はクリソタイル(白石綿),クロシドライト(青石綿),アモサイト(茶石綿)である.人類との出合いは古いが,多量に使われはじめたのは産業革命以後である.石綿は耐熱性,耐磨耗性,酸アルカリ耐性,防音性にすぐれているため多目的に使われ,わが国の年間輸入は20万トンあまりである.主に建築用として壁,天井,屋根材などに使われ,病院内でも古い建物だとボイラー室,配管設備などに石綿が潜んでいる.自動車や列車のブレーキにも用いられる.石綿スレートのように固められている場合は,取り付け,除去以外に石綿粉じんは飛散しないので危険はないが,吹付石綿天井のような場合には空中に舞う危険がある.石綿曝露は採掘,製造,加工など職業的なものから,素人の末端使用者にまで及んでいる.このうち,悪性腫瘍のリスクが著しく高いのは職業性曝露である.
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