特集 産業医学と臨床検査
Ⅱ.有害因子と臨床検査
2 化学的因子
2 石綿
横山 邦彦
1
,
瀬良 好澄
2
Kunihiko YOKOYAMA
1
,
Yoshisumi SERA
2
1国立療養所近畿中央病院理学診療科
2国立療養所近畿中央病院
pp.1338-1344
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912365
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□アスベストの特性,用途および曝露の機会
アスベストは主としてカナダ,南アフリカ共和国,ソ連などで産出する繊維状のケイ酸塩鉱物であり,蛇紋岩族と角閃石族の二つに大別される.表1にアスベストの分類を示したが,角閃石族にはクロシドライト,アモサイト,アンソフィライト,トレモライト,アクチノライトが含まれる.
アスベストの特性として抗張力が非常に強く,また耐熱性,耐圧性,耐摩耗性,電気絶縁性に優れ,さらに耐酸,耐アルカリ性など化学的安定性にも富むことから,表2のごとく工業的に広く利用されており,その使用品目は約3,000種類に達すると言われている.
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