特集 吸い込みでおこる肺疾患の画像診断と病理
石綿関連肺病変
加藤 勝也
1
,
岡本 賢三
2
1川崎医科大学総合医療センター放射線科
2北海道中央労災病院病理診断科
キーワード:
石綿
,
石綿肺
,
胸膜プラーク
,
円形無気肺
Keyword:
石綿
,
石綿肺
,
胸膜プラーク
,
円形無気肺
pp.985-999
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000002963
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・石綿関連疾患は,肺癌,中皮腫をはじめ,社会問題化しており,その診断に画像所見は大きな役割を果たしている.
・胸膜プラークは日常最もよく目にする石綿関連病変であり,石綿曝露の医学的指標となる重要な所見である.
・石綿肺は下肺優位の線維化を呈し,特発性肺線維症との鑑別が問題となるが,新規発生はほぼなく,より緩徐に進行し,病変の弱い領域に胸膜下粒状影や胸膜下線状影のような特徴的な所見を伴う.
・円形無気肺は時に肺癌との鑑別が問題となるが,comet tail signをはじめとする画像所見でほぼ診断可能であり,生検診断を必要としないことが多い.
・石綿肺癌の認定に,画像診断的には胸膜プラークと肺線維化の所見が重要であり,肺癌症例のCTを読影する際には注意しておく必要がある.
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