連載 衛生行政キーワード・50
石綿による健康被害救済制度について
福本 怜
1
1環境省環境保健部石綿健康被害対策室
pp.1001-1004
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101467
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石綿使用とその規制
石綿(アスベスト)は,天然にできた鉱物繊維で,わが国で使用された代表的な石綿は白石綿(クリソタイル),茶石綿(アモサイト),青石綿(クロシドライト)である.石綿は極めて細い繊維で,熱,摩擦,酸・アルカリに強く,丈夫で変化し難いという特性を有することから,建材(吹き付け材,保温・断熱材,スレート材等),摩擦材(自動車のブレーキライニングやブレーキパッド等),シール断熱材(石綿紡織品,ガスケット等)といった様々な工業製品に使用されていた(表1).
わが国で使用される石綿の大半は輸入によるもので,これまでに輸入された石綿は1,000万トンに達している.主な輸入元は,カナダ(65.9%),ブラジル(19.5%),ジンバブエ(10.6%),となっている(2004年).
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