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災害関連死ゼロを本気で考える—メディカルカーを用いた被災地での検査
平松 佑麻
1
1宝来メデック株式会社
pp.878-881
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203676
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はじめに
元日の夕暮れ時に起きた震災.被災された皆さまへ哀悼の意と心からのお見舞い申し上げます.被災された方々の命を無駄にしないためにも,学んだことを生かし,悲しむ方が1人でも少なくなる環境整備が必要です.
筆者らの初動は1月4日.一般社団法人日本臨床検査薬卸連合会(以下,臨薬卸)を通して同業者の被災状況と必要物資を調査し,翌5日に4tトラックで鹿児島から石川へ資材の提供支援から今回の活動は始まった.
避難所生活が始まると同時に感染症のまん延が問題になり,その対策として,同協会より簡易検査キット(インフルエンザウイルス+コロナウイルス,ノロウイルス)を能登半島内の主要4拠点の病院へ納入する依頼をいただいた.今となっては舗装された道路となっているが,搬送する当初は道路の陥没,側道の陥落,マンホールの突起などがあり,ハンドル操作を誤ると大事故になりかねない道路状況であった.そんななか,被災地の企業2社,株式会社片岡と平野純薬株式会社にご協力をいただき,ともに被災地の4拠点にキットの納品に走った.2社とも,被災者でありながら,人的・資金的援助は一切受けずに被災者のためにという心1つで,善意で活動してくださった.それも一度ではなく複数回にわたり,キットの納入と検査技師の皆さまを派遣病院へ送迎する任務を行った.筆者らだけでは非常に困難な状況であり,2社には心から感謝している.
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