分子標的薬の進歩と検査への影響と課題

Progress of therapeutic antibodies in the treatment of patients with multiple myeloma and possible impacts of antibodies on the evaluation of response to the treatment

Point

●多発性骨髄腫の治療抗体としてダラツムマブやエロツズマブが導入された．ダラツムマブは初発治療，エロツズマブは再発・難治症例に用いられ，高い治療効果が得られている．

●ヒト免疫グロブリンG（IgG）-κ由来ダラツムマブやエロツズマブ投与では，腫瘍由来Mタンパクが同じIgG-κサブクラスに属する場合に免疫固定電気泳動（IFE）の評価が影響を受ける可能性がある．

●治療抗体による検査への影響の克服のため，VS38c抗体・CD38 Alexa Fluor^®488 nanobodyによる微小残存病変検出方法やDIRAが導入されている．