技術講座 微生物
クリプトスポリジウムの検査法
遠藤 卓郎
1
,
八木田 健司
1
1国立予防衛生研究所寄生動物部
pp.215-220
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903007
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
クリプトスポリジウムの検査には非常に小さなオーシスト(約5μm)を検出するための工夫が必要である.本稿で紹介するニューメチレン青染色法は,オーシストそのものは染まらないが,細菌や酵母などその他のものを染め出すもので,ネガティブ染色の一種といえる.コンデンサーの絞りを絞り,焦点調整微動つまみを前後に動かしながら観察すると,焦点がやや上にずれたところでオーシストが白く浮いて見える.コツをつかむと,低倍率(200倍程度)での検出に威力を発揮する.本染色法とホルマリン・酢酸エチル遠心沈殿法との組み合わせが,最も実際的な検査法として推奨される.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.