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一般検査
多発性囊胞腎の患者尿で認められる特徴的な赤血球について教えてください
服部 亮輔
1
1日本大学病院臨床検査部
pp.308-309
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202610
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尿沈渣検査で認められる赤血球
尿沈渣検査で認められる赤血球は腎・尿路系の出血性病変を示唆する有形成分であり,出血部位の違いによって尿中赤血球形態が異なる.糸球体腎炎などによる糸球体性血尿では“糸球体型赤血球”が認められ,非糸球体性血尿である下部尿路(腎盂,尿管,膀胱,尿道)からの出血では“非糸球体型赤血球”が認められる1).非糸球体型赤血球の形態には,円盤状赤血球,球状赤血球,円盤・球状移行型赤血球,膜部顆粒成分凝集状脱ヘモグロビン赤血球がある.多発性囊胞腎の患者尿では,囊胞液の影響を受けて膜部顆粒成分凝集状脱ヘモグロビン赤血球が認められる.
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