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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
11章 感染性疾患・寄生動物疾患
腸管出血性大腸菌感染症
Enterohemorrhagic Escherichia coli(EHEC) infection
中嶋 一彦
1
,
竹末 芳生
1
1兵庫医科大学感染制御部
pp.542-543
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202002
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腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症はベロ毒素(VT1,VT2)(または志賀毒素)を産生するEscherichia coliにより生じる感染性腸炎であり,わが国では毎年4,000名前後の発生報告がある.菌に汚染された食肉の摂食以外に,さまざまな食品や水系,ヒト-ヒトを介した感染もみられる.平均3〜5日程度の潜伏期間の後,下痢,血便,腹痛などの消化器症状がみられる.また,下痢出現後数日〜2週間後に5〜10%に溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併する.HUSは貧血,血小板減少,急性腎機能障害を3主徴とし,1〜5%体の致死率である.軽症のEHEC感染症でもHUSを伴うことがあり,尿検査,血液検査による厳重な観察が要である.
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