検査法の基礎
腸管出血性大腸菌の検査法
山田 文也
1
1埼玉県衛生研究所病理細菌部細菌科
pp.13-18
発行日 1993年1月1日
Published Date 1993/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901368
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サマリー
大腸菌(Escherichia coli)はヒトおよび動物の腸管内に常在し,その多くは腸管内では病原性を示さない.しかし,一部の大腸菌は腸管に感染し,下痢・腸炎の原因となる.この一群の大腸菌を一般に下痢原性大腸菌という.現在,下痢原性大腸菌は下痢の発症機序により腸管病原性大腸菌(病原血清型大腸菌),組織侵入性大腸菌,毒素原性大腸菌および腸管出血性大腸菌の4種類に分類されている.これらの下痢原性大腸菌は,その多くが病原性のない大腸菌と同じ性状を持つため,生化学的性状試験による同定は極めて困難である.したがって,下痢原性大腸菌の同定は下痢原性大腸菌の多くがある一定の血清型に属することから,O抗原(菌体抗原)とH抗原(鞭毛抗原)による血清型別および病原因子の確認によって行う必要がある.
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