増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
Part3 フィジカルサイン&病態で読み解く呼吸器疾患
4.集中治療室などのベッドサイドで呼吸療法が必要になる疾患
肺水腫—心不全が原因で起こるもの
小谷 透
1
1昭和大学医学部麻酔科学講座
pp.1342-1345
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201411
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症例
67歳,男性.
主 訴:呼吸困難感.
既往歴:健診で高血圧と脂質異常症を指摘され,内服薬を処方されていましたが,自己中断していました.
経 過:就寝後,息苦しさで覚醒.呼吸のたびにヒューヒューという音がし,臥床できない状態であったため家人が救急要請.来院時,意識清明,血圧187/100mmHg,心拍数116回/分,呼吸数26回/分,体温36.8℃.胸痛はなく,大気吸入下で経皮的動脈血酸素飽和度(oxygen saturation of peripheral artery:SpO2)は89%でした.胸部X線像で心陰影拡大と肺門部から末梢に広がる浸潤陰影を認めました.呼吸困難は増強し不穏も出現,治療に協力できなくなったため鎮静し気管挿管しました.
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