増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
Part2 臨床に直結する検査の進め方
機能的残気量
田村 東子
1
1虎の門病院臨床生理検査部
pp.1168-1177
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201387
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検査の概要
安静呼気位の肺気量を機能的残気量(functional residual capacity:FRC)といいます.FRCの測定方法には,大きく分けてガス希釈法と体プレチスモグラフ法があります.ガス希釈法にはヘリウム(helium:He)を指示ガスとする閉鎖回路法と窒素(nitorogen:N2)を指示ガスとする開放回路法がありますが,最も普及しているHeを指示ガスとする閉鎖回路法について解説します.詳細は後述しますがこの方法では,測定装置内に肺では吸収されないHeを加え,患者に装置内のHeを呼吸してもらいます.肺にある空気が多いほどHeが大きく希釈されるので,このHeの希釈の程度から肺気量を測定します.
体プレチスモグラフ法は,患者に密閉した箱(body box)の中に入ってもらい,肺気量,口腔内圧の変化を測定してBoyleの法則を利用して肺胸郭内にある肺容量を算出します.また,求めたFRCから予備呼気量(expiratory reserve volume:ERV)を引いて残気量(residual volume:RV)を求めます1).
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