増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
Part2 臨床に直結する検査の進め方
スパイロメトリー検査
上ノ宮 彰
1
,
沼倉 和香
1
1昭和大学病院生理検査室
pp.1160-1167
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201386
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検査の概要
スパイロメトリーとは,スパイロメータでスパイログラム(呼吸の量と時間の変化)を描き,そこから患者の呼吸の状態を把握するために量と時間の変化から肺活量や努力性肺活量,1秒率などを算出することをいいます.また,努力性肺活量の検査では,流速と呼吸の量の変化を記録したフローボリューム曲線を同時に描くことができます.スパイロメータには2つの測定原理があります.1つは直接容積を測定する方法(気量型)であり,大型装置のほとんどがこれに該当します.もう1つは気流速度を測定して容積を算出する方法(気流型)で,小型の装置に多く用いられています.
最近の呼吸機能検査の大きな目的に,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)の早期発見が挙げられます.また,1秒量(forced expiratory volume in 1 second: FEV1)から“肺年齢”が算出されるようになり,“肺”に対する意識が向上し,健康診断でも予防医学的な一面を担っています.
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