検査説明Q&A・26
健康診断でHCV抗体が陽性となりましたが,肝炎症状はみられないとのことです.どのように考え,どんなことに注意すればよいですか?
近藤 真由子
1
,
池田 均
2
1社会福祉法人三井記念病院消化器内科
2東京大学大学院医学系研究科 内科学専攻病態診断医学講座臨床病態検査医学分野
pp.301-303
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201135
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■C型肝炎ウイルスの診断
C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)は1989年に米国Chiron社の研究グループによって発見された.その後,血液製剤に対してHCV検査が行われるようになり,輸血によるHCV感染はほとんどみられなくなった.現在,わが国においてはHCVの新規感染者数は激減したものの,HCV持続感染者(キャリア)は約150万〜200万人存在すると推定されている1).
厚生労働省は,2008年から健康増進法に基づいて,健康増進事業における肝炎ウイルス検診を行っており,検診でHCV抗体が測定されるようになった.わが国におけるHCV抗体陽性率は1.4〜1.7%とされる1).
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