検査説明Q&A・24
蛋白電気泳動像ではMピークを認めているのに,免疫電気泳動法ではM蛋白を認めません.どのようなことが考えられますか?
井本 真由美
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1近畿大学医学部附属病院中央臨床検査部
pp.86-91
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201086
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■はじめに
血清蛋白電気泳動法(血清蛋白分画)は,蛋白質の荷電によって泳動位置が異なることを利用して蛋白質を分画し,そのパターンを観察することで,血清蛋白の量的質的異常をスクリーニングするものである.特に,多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症などの悪性疾患に出現するM蛋白検出に関して必須な検査である.M蛋白が疑われるピークが検出されたら,免疫電気泳動法(immunoelectrophoresis:IEP)や免疫固定電気泳動法(immunofixation electrophoresis:IFE)を実施し,M蛋白をその種別と併せて確定する.
本稿のテーマは“蛋白分画ではMピークを認めるのに,IEPでM蛋白を認められないときは何を考えるか”である.それらの原因が,真のM蛋白が存在するのにIEPで検出不可能なのか,偽M蛋白を示す他の原因があるのかで幾通りか推定される.本稿では,筆者の経験と文献的情報から,上記のテーマについて述べる.
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