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今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌
Carbapenem-resistant Enterobacteriaceae(CRE)
長野 則之
1
,
長野 由紀子
2
,
荒川 宜親
2
1信州大学大学院医学系研究科医療生命科学分野
2名古屋大学大学院医学系研究科分子病原細菌学/耐性菌制御学分野
キーワード:
カルバペネム
,
カルバペネマーゼ
,
腸内細菌科
,
カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)
,
高致命率
,
五類全数報告疾患
Keyword:
カルバペネム
,
カルバペネマーゼ
,
腸内細菌科
,
カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)
,
高致命率
,
五類全数報告疾患
pp.92-99
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200682
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Point
●カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)による感染症は,感染症法で2014年9月に5類全数報告疾患に指定された.
●CREがカルバペネム耐性を獲得する主たるメカニズムはカルバペネマーゼの産生であるが,カルバペネマーゼには,種々のタイプが出現している.
●CREの菌種はKlebsiella pneumoniaeが多いが,カルバペネマーゼの遺伝子は伝達性プラスミドにより媒介されていることが多い.その他のさまざまな腸内細菌科の菌種に伝達し,それらがCRE化されることがある.
●カルバペネマーゼの遺伝子を保有していても必ずしもカルバペネム耐性と判定されない株や,逆に,カルバペネマーゼの遺伝子を保有していなくてもカルバペネム耐性と判定される株があり,日常検査での鑑別が難しい.
●CREにはカルバペネマーゼとともにCTX-M型やCMY型などの別種の広域β-ラクタマーゼを産生する株もみられ,それらの識別には専門的な知識と技術が求められる.
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