今月の臨床 エキスパートに聞く 耐性菌と院内感染―産婦人科医に必要な基礎知識
耐性菌各論―診断法と制御・治療戦略
カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)
幸福 知己
1
1住友病院感染制御部
pp.759-765
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210464
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●CREとはカルバペネム系抗菌薬に耐性を獲得した腸内細菌科細菌の総称である.CREには,カルバペネマーゼ産生のCREとカルバペネマーゼ非産生のCREが存在する.カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌はCPEと呼ばれ,必ずしもCRE=CPEとはならない.
●CPEによる菌血症では,カルバペネマーゼ非産生菌によるものと比較して治療予後が悪いと報告されており,治療する際には両者の鑑別が必要である.
●カルバペネマーゼ非産生のCRE感染症に対する治療は,薬剤感受性試験の結果にもとづき抗菌薬を選択し,CPE感染症では併用療法が基本となる.
●CRE,CPEともに感染症治療および感染制御のうえで重要な耐性菌である.薬剤耐性遺伝子がプラスミド上に存在するCPEではより厳重な感染対策が必要である.
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