特集 小児における抗菌薬適正使用―最新の考え方からのアプローチ
◉小児におけるPK-PD理論とTDM―臨床で役立つ投与設計の理論と実践
②カルバペネム系薬
諏訪 淳一
1
1東京都立小児総合医療センター 薬剤科
キーワード:
カルバペネム
,
Time above MIC
,
点滴時間の延長
Keyword:
カルバペネム
,
Time above MIC
,
点滴時間の延長
pp.95-99
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000034
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Summary
カルバペネム系抗菌薬は非常に広域な抗菌スペクトラムを有し,耐性グラム陰性菌感染症の治療薬として,小児科領域でもなくてはならない薬剤である。PK-PD理論では臨床効果の指標としては,24時間のうち薬物血中濃度がMIC以上を保っている時間の割合を示すTime above MIC(%T>MIC)が用いられ,40~50%で最大殺菌作用を示すとされている。MEPMにおいてMIC=2µg/mLの細菌を想定した場合,10~20mg/kg/回8時間毎,0.5時間点滴で投与すると効果が不十分である可能性がある。%T>MICを増やす方法として,小児においても,点滴時間を3時間に延長することの有効性がいくつか報告されている。
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