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今シーズンのインフルエンザは,いつものシーズンより早く流行が始まりました.2009年は新型インフルエンザ〔A(H1N1)pam09〕が流行したので例外ですが,近年では最も早い時期の流行だったと思います.私は12年前に現在の病院に移って以来,感染対策にかかわっています.その関係で,感染症に関する病院の統計資料を作成していますが,年が明ける前に本格的な流行期に入ったのは初めてです.これまでは例年,年が明けてから患者数のピークを迎えていましたが,私が所属する施設では,今シーズンは年末年始の休み期間に患者数のピークを迎えました.そのため,この休みの期間用にストックしておいたインフルエンザの迅速検査キットが底をついてしまい,休み期間中に緊急でキットを入手する必要が生じました.また,このような状況なので,アウトブレイクを起こさないかどうかも大変気掛かりであり,今回の年末年始の休暇は,気の休まることはありませんでした.
さて,今月号の第1特集は「奥の深い高尿酸血症」です.高尿酸血症が痛風の原因となることは知っていましたが,それ以外にも心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)や慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)などさまざまな疾患と関係していることを知り,まさに奥が深いと痛感致しました.高尿酸血症をきたすメカニズムについても新たな知見が得られ,高尿酸血症の遺伝的素因などについても解明が進んでいるようです.テレビコマーシャルでも,最近はプリン体の含有量が少ない飲料が人気を得ており,尿酸値に対する一般人の関心も高まっているようです.その意味で非常にタイムリーな企画といえるのではないでしょうか.
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