Japanese
English
今月の主題 鉄代謝のバイオマーカー
話題
感染症と鉄代謝
Relation between infectious diseases and iron metabolism
三好 秀征
1
,
森屋 恭爾
2
Hidemasa MIYOSHI
1
,
Kyoji MORIYA
2
1東京大学医学部附属病院消化器内科
2東京大学医学部附属病院感染制御部
キーワード:
鉄
,
C型肝炎
,
ヘプシジン
Keyword:
鉄
,
C型肝炎
,
ヘプシジン
pp.1120-1122
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103165
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1.はじめに
鉄は病原微生物を含め生体において酸素運搬や各種酵素活性にかかわる必須の微量金属元素である.一方鉄が過剰に存在するとFenton反応によるフリーラジカル産生が引き起こされるため,生体内での鉄代謝は厳密に調節されている.慢性感染症の場合,炎症性サイトカインによって肝臓におけるヘプシジン(hepcidin;HAMP)合成が低下し,腸管からの鉄吸収低下がもたらされ最終的に貧血を認めることとなる.Helicobacter pylori菌持続感染と鉄欠乏性貧血の関連,Vibrio vulnificusが肝硬変患者に感染した際にみられる重症化,C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus;HCV)感染では肝臓への鉄沈着が亢進し肝臓内酸化ストレス亢進がもたらされるなど,多くの感染症において鉄代謝と病態形成が関与している.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.