Japanese
English
今月の主題 多剤耐性菌の検査と臨床
話題
動物に対する抗菌剤の使用と薬剤耐性菌
Application of antimicrobials for animals and the drug resistant bacteria
関崎 勉
1
Tsutomu SEKIZAKI
1
1東京大学大学院農学生命科学研究科附属食の安全研究センター
キーワード:
動物用抗菌薬
,
飼料添加物
,
薬事法
,
JVARM
,
感受性ディスク
Keyword:
動物用抗菌薬
,
飼料添加物
,
薬事法
,
JVARM
,
感受性ディスク
pp.908-911
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103106
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1.はじめに
動物に対する抗菌性物質は,獣医療における医薬品だけでなく,家畜の生産性を高めるために使用する飼料添加物も含むため,動物関連業界では“抗菌薬”ではなく“抗菌剤”と呼ばれる.そのため,飼料添加物としての大量使用による多剤耐性菌の出現が,ヒトの医療現場での多剤耐性菌の出現に影響するのではないかといった懸念が議論されている.しかし,こうした状況を受けて,動物用抗菌剤の適正な使用に向けた様々な取組みが続けられているだけでなく,特に食肉となる動物の飼育に関しては,経済性を重視することから,不要な薬剤の使用は控える傾向になっており,一般に想像されているほどの乱用はない.
本稿では,動物用抗菌剤の使用に対する理解を深めていただくため,法律の規制,耐性菌分離の現状,使用実態などについてまとめた.
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