Japanese
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緊急連載/東日本大震災と検査・2
放射線被曝と健康モニタリング
Inquiry about the March 11th, 2011 disaster in Eastern Japan・2 Radiation and Health Risk Management
宮崎 真
1
,
宍戸 文男
1
,
山下 俊一
2
Makoto MIYAZAKI
1
,
Fumio SHISHIDO
1
,
Shunnichi YAMASHITA
2
1福島県立医科大学放射線科
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線医療科学専攻
キーワード:
福島原発事故
,
放射線被曝
,
健康影響
,
発癌リスク
,
甲状腺癌
Keyword:
福島原発事故
,
放射線被曝
,
健康影響
,
発癌リスク
,
甲状腺癌
pp.802-806
発行日 2011年8月15日
Published Date 2011/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102703
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はじめに
1895年レントゲンがX線を発見し,翌年にはベクレルが,放射性同位元素から自然放射能の存在を発見している.その後のキュリー夫妻によるウランやポロニウムの発見がいかに物理化学の発達のみならず,科学の力による莫大な社会貢献を導き出したか計り知れないものがある.しかし,その後不幸にして原子爆弾の開発競争が原子力の平和利用の前に始まり,広島・長崎の両都市に原爆が投下されてから66年が経過しようとしている.
現在の国際放射線安全防護の基準は,長年にわたる広島・長崎の原爆被爆者の疫学調査をもとに作成されている.戦後の日本は原発安全神話としてのエネルギー政策を推し進め,環境保全に努めつつ原発周辺住民の安全防護に腐心してきたはずである.しかし,今回の放射線被曝による健康問題は,公衆衛生の観点からも戦後最大の難局である.広島・長崎の英知,ならびに国内外の放射線健康影響の専門家を集結し,国難を乗り越える必要がある.
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